営業純利益について

日本の不動産は基本的に表面利回りを記載している事が多いです。
大手サイトなども表面利回り。
確かに利回りが高いにこしたことはありません。
しかしながら「利回り=リスク」という事を忘れてはいけません。
利回りが高いということはすなわち、リスクも高いという事。
築古物件などはこれに該当します。
築年数経過による様々なリスクが反映されるため利回りが高く設定されるわけです。

物件の力は利回りだけでは測れません。
では、どこを重視していくべきなのか。
それは「NOI(営業純利益)」です。

まずは営業純利益の計算方法を。
キャッシュフローツリーというものを使用します。
以下計算式です。

まずはGPIというものは満室想定で年間どのぐらい収入があるかという事になります。
これは現在の相場賃料にて全ての家賃を引き直すほうが正確な数字となります。
(後程別項目にてプラスマイナスをするので)
また、雑収入(太陽光や自動販売機代、コインランドリー代など)がある場合は別途プラスして下さい。
空室損については満室の場合でも平均空室率を使用して計算してみてもいいかと思います。
少し難しいのはリース損(リース益)について。
所有者の知り合いが入居していて家賃を相場より安く貸している、昔から入居頂いている入居者様がいて家賃が相場より高く入居している、などいろいろな場合がありますが、その損益になっている賃料をプラスしたりマイナスしたりする項目がこのリース損(リース益)です。
その計算結果がEGIというものとなります。
そしてそこからOPEXを差し引くとNOIが出ます。
OPEXは運営費です。管理委託料、巡回清掃料、内装料、修繕積立費用、エレベーター保守費用など、かかる経費を全て計算に入れた方がより正確な数値が算出できます。

そしてこのNOIというものが物件の純利益となり、そこからローンや税金の支払いをする事になります。


少しだけ計算してみましょう。
下記は全く同じ場所にある物件だと仮定します。
物件A
価格5,000万円
年間家賃収入500万円
表面利回り10%

物件B
価格5,000万円
年間家賃収入470万円
表面利回り9.4%

この情報だけでは物件Aのほうがいいと感じる事でしょう。

ではもう少し内訳を知るとどうでしょうか。
物件A
管理手数料年間30万円
エレベーター保守年間12万円
ロードヒーティング年間30万円
ネット無料設備費用年間30万円

物件B
管理手数料年間20万円
エレベーター無し
ロードヒーティング無し
ネット無料設備費用年間20万円

NOIの結果は下部画像をご覧ください。

このようにNOIについては物件Bの方が高くなります。
したがって単純な物件力は物件Bの方があるという事です。

もちろんこれには融資条件などが加味されておりませんので、
さらに細かい計算をする事で正しい投資かどうかを判断する事ができます。
長くなるのでその話はまた後日。。。

収益不動産の事なら何でもお気軽にご相談下さい。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA