あっという間に1年の終わりが近づいてきました。
毎年思うことですが、時が過ぎるスピードが年々早くなっていると感じます。
すでに峠では雪が積もり市街ではまだ完全な積雪とまではいきませんが、少しずつ雪が降るようになってきております。
そこで今日は積雪地帯の不動産投資について考えてみましょう。
寒さや雪による影響は大きくあります。積雪地域では雪対策で融雪剤を道路に撒きます。塩化カルシウムなど塩の成分が含まれており、雪を溶かすためですが金属の腐食を早めます。車の足回りなど錆びる原因になり、もちろん建物にも影響するでしょう。さらに寒さや雪による影響で建物の劣化が通常より早く進みます。屋上防水や外壁塗装の劣化、駐車場のラインが消えたり車止めが破損するなど、賃貸経営におけるリスクを認識し適切な分析を行うことで健全な不動産経営を行うことができます。
積雪によるデメリット
- 水道管などの凍結の危険性
- ロードヒーティング料や排雪料金
- 雪庇事故の可能性
- ストーブの故障
- 駅近物件の優位性
水道管などの凍結
最高気温がマイナス4℃以下になる場合は凍結の可能性が出てきますが、特に入居者が長期不在で水抜きが甘い場合などに起こります。年末に実家に戻り、年始に戻ってきたら凍結しているケースもよくみてきました。入居者に過失がある場合はもちろん入居者負担となりますが、古い建物では車庫内で凍ってしまう場合があります。その場合は断熱材を巻いたりヒーターを付けるなどの対策が必要です。凍結だけであれば解氷すれば問題ないですが、凍結して膨張し配管が破裂してしまうと大変です。漏水してしまい部屋が水浸し、それが凍ってしまいスケートリンク状態の部屋もありました。下の階にも迷惑がかかり、保険で対応するとはいえ心情的には嫌な思いをしてしまいます。水はライフラインのため使えない状態にはしておけません。管理会社とオーナーは早急な対応が求められます。
ロードヒーティング料や排雪料
特に敷地が大きく駐車場スペースなどを広くとっている場合、雪の量により大きくオーナー負担が変わります。ロードヒーティング料は駐車場使用者から月数千円もらていることが一般的ですが、積雪が多いとオーナーの支払い負担が上回ります。もちろん近年の灯油や電気料金の値上げも大きく影響しています。また、ロードヒーティングが設置されていない場合でも排雪（雪を捨てる場所がなくなるため、業者にトラックで雪を持っていってもらうこと）が必要です。除雪は入居者が各自でということが基本ですが、身長よりも高い雪山ができ捨てる場所がなくなると入居者は困るため、オーナーの負担にて排雪する必要があります
雪庇事故
雪庇とは雪が積もった屋根から雪がせり出している状態です。
ただの雪と思われがちですが、落下する際は固い氷の塊のため、もし人に当たってしまうと人命にかかわります。車などに落下してしまうと大きく破損してしまい入居者に迷惑がかかります。
金銭的な対応自体は保険でカバーできますが、何度も同じ事故を起こすわけにはいきません。
最近の新築では雪庇ガードや雪庇カッターというものを屋根に設置して雪庇ができないようにしている建物が多いですが、もちろんオーナーに費用面で負担があります。
ストーブの故障
北海道で冬時期のストーブ故障は大問題です。ストーブ無しで冬を過ごすことはできません。札幌では全体として灯油ストーブの物件が多いです。ひと昔前は貸与契約といってガス会社からストーブを貸し与えられている状態だったため、修理や交換など全てガス会社にて対応するためオーナーの負担はありませんでした。法改正があり貸与契約が難しくなり修理や交換がオーナー負担となったため、オーナーにとってはリスクが増えた状態になっています。リース契約などが可能のガス会社もあるため、まずはガス会社や管理会社に相談してみましょう。
駅近い物件の優位性
これはデメリットというわけではありませんが、雪が降る地域では特に最寄り駅までの距離を気にする傾向にあります。なぜなら駅から徒歩10分と記載されていても冬時期は積雪による影響で歩く速度が低下し、実際は10分以上かかってしまうことを理解しているためです。だからこそ少しでも駅の近くに住みたいと思うのは当然の感情です。駅から5分以内と10分以内では大きな差があり、駅から遠い物件を購入する際には注意が必要です。もちろん駐車場が全室分完備されているような物件であれば問題ないと思いますので、エリアの特徴や競合物件などしっかり分析を行いましょう。
まとめ
札幌は北海道の中で一番の都市ですが、冬は寒く雪が降るという地域性があります。雪を見たい観光客にとってはプラスの要因になりますが、収益不動産投資においてはリスクとなります。信頼できる不動産業者、切磋琢磨できる大家仲間、目標とする資産を設定して学びを忘れずに頑張りましょう。
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