適正な空室期間

本日は空室期間についてお話です。
そんなの短いほうがいいと思いますよね。新築であれば完成前に満室、既存物件であれば空き予定の段階で申し込みが入ることが最善と答える方が多いでしょう。
もちろんそれは正しい感覚でもありますが、別の視点も持ち合わせたほうが不動産投資は上手くいきます。
具体的にお話していきましょう。

新築物件

日本では新築(新しいもの)を好む傾向があり、賃貸物件においても毎年たくさんの建築が行われています。新築着工件数には地域差や日本の景気、世界情勢なども影響しますが、そんな中で完成前に満室になるということは現実的にどういったことなのかを考えるべきです。
まず、満室になればすぐ家賃が入ってくるため安心です。ローンの返済があるため収入がなければ厳しい状況になってしまうことに間違いありません。
しかしながら、本来はもう少し家賃を上げることができたのではないでしょうか。
そのチャンスを逃してしまったと考えることができます。札幌の賃貸は基本的に普通型建物賃貸借契約となっています。オーナー都合で退去を促すことは難しく、家賃の値上げや値下げは合意の上でとなっていることがほとんどですが、値上げをすんなりと了承して頂ける入居者は少ないでしょう。基本的に家賃は入るタイミングでしか決められないということです。

例えば購入した物件が20世帯の新築としましょう。建築中に満室になって嬉しいですが、本来いろいろな視点から分析を行うと各部屋あと2,000円の値上げができたのではという状況とします。そうなると月で4万円、年間では48万円の差となります。この数字だけでは少なく感じるため、それなら早く入居したほうがいいという考えも間違ってはいませんが、そこで大切なのはもう一つの視点です。この物件価格が購入時3億円で利回り6%の物件だったとすると年間想定収入は1,800万円です。もし前述の各部屋2,000円で上げを行うことができていた場合、年間想定収入が1,848万円となります。その結果すぐに売却する場合同じ6%でも物件価格は3億800万円となり、資産価値に800万円の差が生まれます。新築を購入する場合すぐに手放すことはあまりないと思いますが、5年~10年で売却をするかもしれません。その際に本来の適正家賃で貸すことができていない部屋があると家賃収入が下がり、それが売却価格を下げることとなります。

中古物件

先ほどの新築物件と同様ですが、中古物件においてはさらに気を付けなければいけません。退去する際に次の家賃を決めるかと思いますが、管理会社から連絡があっても今と同じで募集すると言われそのまま募集していませんか?そしてすぐに入居が決まったから安心という考えに至っていませんか?それは視野が狭くなってしまっています。そしてその管理会社に投資の視点はないのでしょう。
まず退去することが決まった際に必要なのは賃料分析です。ただ近隣を調べるだけではなく、しっかりと比較を行い数字に基づいた分析が重要となります。ただ近隣物件の資料を見せられてなんとなく家賃を決めるのは、もったいないと思います。適正家賃を算出し、次の戦略を練るべきです。室内改善を行い家賃を上げて募集する、室内は変えずに少し高めの賃料設定で募集を行い様子をみる、返済がとにかく厳しいから安く募集して空室期間をなくす、売却を検討中のためできる限り家賃は下げない、など想定空室期間や資産価値の面からも考え自分が納得できる方法を進めていくべきだと考えます。経営とは常にいろいろな案から最善だと思う策を実行し検証分析を行い次の挑戦をしていくことだと思います。オーナーが行うべきは不動産経営です。

まとめ

家賃を異常に高くしてしまい入居者が決まらないということは本末転倒ですが、適正な空室期間は約2~3か月だと感じます。完成前に満室や退去予定でお部屋が決まるということは賃料が相場よりも安く設定されている可能性があるということを覚えておきましょう。さらに中古物件ではお部屋のグレードアップや改善を行う機会を失ってしまいます。家賃価格を決めるということは、資産価値を決めることです。そのタイミングは入居者が入る時と限られているため、より慎重により細かく分析を行い設定しなければいけません。今は物件を売る気がなくても、その時はいつか訪れます。収益不動産投資は思い通りに進むことはあまりなく、人生そのものと同様だと感じます。物件の近隣で何か環境の変化があり人気がなくなった、事件や事故がおこってしまった、金利や保険料や修繕費用が上がって返済が厳しい、すぐに現金化したい家庭の事情ができた、予定していた相続人に不動産経営を引き継ぎたくないと言われた、海外移住することになった、など様々な要因により保有を続けるか売却をするか検討することがあるでしょう。そうなった際に資産価値が最大化されているかどうかで売却価格が決まります。根拠のない家賃設定をする、裏付けのない提案に従う、物件の問題点を改善しない、ということはやめましょう。

空室期間がなく成約する際の良い点

  • すぐに家賃が入る(空室損がない)
  • 満室だと精神的に安心できる

空室期間がなく成約する際の懸念点

  • 設定家賃が安い場合がある(資産価値を下げている)
  • 家賃UPのための室内改善ができない

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